介護の正否は用意できる部屋に掛かっていると言っても過言ではありません。できれば水回りもあれば最高ですが、それはなかなか難しいかも知れません。せめて日当たりのいい清潔な部屋が欲しいと思います。結局この増築に240万円ほどの金が掛かりました。その代わり快適で使いやすい介護ルームが出来たのです。
○ 住宅の改修には公的援助があります。
手摺りを付けたり、段差をなくしたりする工事に最高15万円の援助
が出ます。が、増築と表現してしまうと援助は難しくなります。介護の
ために必要な改修でなくてはならないのです。役所には着手前に通報し
ておきます。その上で、書面を揃えて提出し、交渉します。工務店から
の見積もりも「改修工事費」に、図面を書いて改修であることを強調
する必要があります。
役所に提出した改修図面。テラスがあった部分を一部取り壊して部屋にしていることを示しています。そこに介護ベッドと人工呼吸器、吸引器を置くことを想定しました。部屋は6畳です。
完成して介護ベッドも運び込まれた部屋。
部屋には電気工事が必要です。ベッドに呼吸器、吸引器あるいはテレビや加湿器などコンセントは出来る限り多い方がいい。エアコン用のコンセントの他なんと部屋の四隅に3つずつのコンセントを用意しました。アース端子付きのタイプが望ましいです。これでどこからも電気が取れます。また、ブレーカーが落ちるのが不安ですから、この部屋だけは別途電線を引きました。家の契約アンペア数も増やしたことは言うまでもありません。もう一つ重要なのは、テレビのアンテナ線を引くこと。療養にテレビは大事です。これで鮮明な映像を楽しむことが出来るようになります。
この部屋で1年半、ショートステイの期間を除くとほぼ1年、親父は暮らすことになりました。1年で240万円。高いのか安いのか意見は分かれると思います。が、この部屋で過ごした1年はやはり貴重だったと思います。家に帰りたい、家族と過ごしたい、切実な願いだと思います。
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